
脱退一時金と老齢年金 – どちらかを選択できる条件
日本で雇用されている非日本国籍の方は、原則として以下の3つの条件をすべて満たしていれば日本を出国後に「脱退一時金」と「老齢年金」のどちらかを選択して受け取ることができます。
(1) 厚生年金または国民年金を6か月以上納付していること。
(2) 年金の納付期間が10年未満であること。
(3) 社会保障協定を締結している国の年金に加入している実績があること。
(1)については、年金を自分で納付していることが必要です。日本の年金は学生や配偶者も加入しますが、年金を自分で納付していない場合は「脱退一時金」を受け取ることはできません。
(2)については、年金の納付期間が10年以上ある場合は、必ず「老齢年金」の対象となります。「脱退一時金」は受け取ることができません。
(3)については、このブログページの一覧で「年金加入期間の通算措置」が「あり」の国だけが認められます。イギリス・韓国・中華人民共和国・イタリアの年金は対象外です。
もしあなたが、(1)(2)(3)のすべての条件を満たしているならば、原則としてあなたは「脱退一時金」と「老齢年金」のどちらかを選択できます(ただし、条件によってはどちらか一方しか選択できない場合があります。必ずあなた自身の条件を日本各地の年金事務所で問い合わせてから判断してください)。

脱退一時金と老齢年金 – どちらが有利?
もしあなたが「脱退一時金」と「老齢年金」の選択をできる場合、どちらが有利でしょうか?以下に両者の特徴を挙げます。
脱退一時金
- 日本を出国してから2年以内に申請できる。
- 一回の払い戻し限度は、最大5年分(2021年4月以降に年金を納付している場合)、または最大3年分(2021年3月までに年金の納付を終えた場合)。
- いちど脱退一時金を受け取っても、その後日本に再度入国して雇用されたならば再度申請できる。
- 20%課税は、適正に還付申告すればほぼ全額返金される。
老齢年金
- 65歳で申請できる。申請する場合には、社会保障協定を締結している国の年金に加入している実績を証明する書類の提出が必要。
- 継続して受け取るためには、毎年1回、生存証明と住居証明を提出する必要がある。
- 20%課税は、日本と租税条約を締結している国であれば、免除される申請ができる。
例
一か月の平均給与が50万円、2021年半ばまで5年間雇用されていた方を考えてみます。
脱退一時金(税引き前)
— 約275万円(一回払い。日本出国から2年以内)
老齢年金(税引き前)
— 毎年約26.1万円(2か月に1度、6分の1ずつ指定口座に振込み。65歳から)
以上のデータを参考にして、日本を出国した後の申請を選択してください。
参照リンク
- 社会保障協定の一覧 (YouATサイト)
- 脱退一時金の計算式について (YouATサイト)

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